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2015年05月10日

「炎628」

これはヤバい映画です。

某戦争映画サイトさん(ほぼ名指しだな…)で二度と見たくない映画ランキングの堂々一位を飾っていたため、怖いもの見たさで借りてみましたが。


いやあ…世界平和を唱えてる人がこれ見てどう思うかですよね。

人間は賢いし、学ぶことができる。人間は進歩できる。争いがあっても、乗り越えて、手を取り合って生きていける。

申し訳ないんだけど、この映画見るとそういうのが疑わしく思えてくる。
これは持論も混ざってますが、人間ていうものは人間が思ってるほど賢くないし愚かです。

1985年のソ連映画、「炎628」です。

1940年代、ナチス・ドイツ軍によって占領された白ロシア(現在のベラルーシ)を舞台に、武装親衛隊の凶行を描いています。
「炎628」

主人公のフリョーラ君はパルチザンにあこがれる少年。戦闘の終わった海岸で銃を拾います。そのままパルチザンに加入するものの、子供だからという理由で置いて行かれ、同じくパルチザンの基地に残った少女グラーシャとともに母親と姉妹の待つ村へ戻ります。

しかしフリョーラが銃を拾った姿はドイツ軍の偵察機がバッチリ見ていました。スパイ容疑をかけられたフリョーラの村は、たまたま外出していたフリョーラ以外は皆殺しにされ、村長はガソリンで生きたまま焼かれます。
そのことを知ったフリョーラはせめてもの罪滅ぼしにと、避難民に食料を届けるため再びパルチザンに同行、牛を頂戴することに成功しますが、またまたドイツ軍にばれて仲間も牛も殺されます。そのまま朝を迎え帰路につこうとしたフリョーラですが、朝もやの中からドイツ軍の影が…その場で知り合った地元の住民に助けられ小さな村へと避難するフリョーラでしたが、武装親衛隊はあっという間に村を制圧。そして住民たちを一か所の小屋に集合させます…。



タイトルの628とは、ベラルーシでドイツ軍に焼き打ちされた村の数を示しているそうです。
ナチス党の私兵組織だった武装親衛隊は、党の理想を実現すべく、ユダヤ人や共産主義者を行く先々で皆殺しにしていきました。
劇中では住人が本当にユダヤ人や共産主義者だったか、確認もありません。
ラストシーンでは30分近くかかって虐殺が行われますが、劣等人種の血を残すまいと、子供から焼き殺していきます。


「炎628」

虐殺を見物させられるフリョーラ。とても演技には見えん…


この映画、前半1時間くらいは一種のサイコ・ホラーのような雰囲気で、おどろおどろしいBGMとエコーのかかったようなシーンの連続が非常に緊張感と不快感を誘います。
爆撃で一時的にフリョーラの耳が遠くなったあたりから、しばらく実際にセリフもBGMもエコーがかかったままになります。
グラーシャが雨の中、トランクの上でタップを踏むシーンはちょっと夢に出そうなレベルでした…グラーシャかわいいんだけどなんかが抜けてるんんだよな…。
そして村で異変に気付き、振り返ったグラーシャが山積みされた死体を見つけるシーンなんかは心臓止まりかけました。
これは戦争映画ですが、そうではない側面もかなりあります。これ撮った監督がコメディ作ったことがあるなんてにわかには信じられん…

もうね、途中から演技に見えないんですよ

いまリアルタイムに目の前で行われている行為をそのまま映したかのような撮り方で、すさまじいリアリティ。
映画が持つ「力」みたいなものが画面からあふれて出てきます。本当です。本当にすごい映画は力が画面からあふれてくるんです。

「炎628」
「子供から全てが始まる
生かしてはおけない
貴様らもみんな死ね
貴様らの民族に未来はない
共産主義は下等人種に宿る
絶滅させるべきだ
必ず遂行する」


信じてますね。総統閣下の偉大なイデオロギーとやらを。

人間はなろうと思えばどこまででも最低でクズになれる。
可能性なんてこれっぽちも無い、野蛮で原始的な殺戮マシーンにあっさりとなれてしまうんです。

ほんとにオカルトチックというか、ホラー要素もかなり強いので心臓弱い方にはオススメできませんが、戦争映画ファンにはぜひとも一度おすすめしたい。これ見ないで戦争映画を語るのがいかにもったいないか。

正直僕もドンパチもの好きです。のんびりしてる戦争映画をだるいとも思います。
では最高の戦争映画は「プライベート・ライアン」なのか?
人間の汚くて醜くて愚かな本質を描いているという点では、「炎628」は間違いなく一級品の戦争映画です。
だってそうでしょう?戦争というのは汚くて醜くて愚かな本質をむき出しにしてやるものなんですから。


下等だと思う人種やイデオロギーを差別して駆逐する。
この考え方がいかに危険極まりないものか、この映画見たら分かっていただけるはずです。
この映画を見て、安易に反日を皆殺しにしろとか言えますか?ナントカ大虐殺とか流行りましたけどね?
モノホンの大虐殺をなめたらアカン。出直してこい。
モノホンの大虐殺は、人間の想像できる蛮行を遥かに上回っている。

いくら高潔そうに大義を振りかざしたところで、虐殺者には人間性などかけらも残らないのだ。彼らを「彼らも人間だった」などとどう擁護できようか。俺にはできない。確かなことは、人間と、そうでない畜生とが戦争では必ず存在するということなのだ。


お台場のフジテレビデモで「エジプト革命みたいな感じになればいい」なんて取材に答えてたヴァカな参加者を思い出します。
「革命」とか「虐殺」とか、その言葉自体の重みを知らないまま振りかざすようになったのはなぜなんですかね?

この無知で、流されやすく、先見性の無い国民性が、かつての世界大戦で300万の国民を犠牲にしたことに、なぜ気が付かないのだろう。

なんか話が変な方にずれましたが、これは見といた方がいいですよ。
戦争映画の見方が変わります。必見です。こんな映画はおそらくロシア以外には作れません。
「炎628」

まじでどこまでお芝居なんだこれ…


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