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Posted by ミリタリーブログ at

2017年07月11日

日本のいちばん長い日

日本のいちばん長い日

2015年、松竹。原田眞人監督。



1967年、東宝8.15シリーズの一作として製作された「日本のいちばん長い日」は、今もなお日本戦争映画の金字塔として名高い。明治の健軍より対外戦争は負け知らずの大日本帝国が、ついに万策尽き、ポツダム宣言を受託して連合国に降伏するまでを描いた。
多くの国民が知らない、終戦をめぐる各省の工作合戦と、終戦を受け入れない一部軍人による反乱事件の顛末は、現代にも通ずる教訓でもある。

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2016年06月17日

男たちの大和

2005年、日本。東映映画。

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2016年06月10日

軍旗はためく下に

1972年、東宝映画。「フカキン」こと深作欣二監督の作品である。

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2016年01月29日

2015年06月08日

おかあさんの木(ネタバレ注意)

はじめに断っておきますけどね、俺は右翼ですよたぶん。
「天皇陛下万歳」とか「中韓を皆殺しにしろ」とかまではいかないんで、にわか右翼ですかね。
まあそんな奴の意見なんで真に受けないでください(笑)




「おかあさんの木」
2015年の東映映画。
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2015年05月10日

野火

1959年 市川崑監督

日本戦争映画で外せない一作がこちら、大岡昇平原作の「野火」です。


1944年のフィリピン戦線を舞台に、飢餓の中ひたすら潰走していく日本軍を描いた映画で、今年は塚本伸也監督でリメイクの公開が予定されています。




右が主役の船越英二。左はミッキー・カーチス。役作りすげえ…


この映画、主人公の田村一等兵が病身を理由に中隊を追い出されるところから始まるのですが、いざ病院に行っても「歩ける体のくせに病院に入るな」と追い返され、けっきょく中隊もお前に食わせる飯は無いと田村を突き放してしまいます。
田村は所属も無いままフィリピンの森を歩き続け、セブ島へ撤退する船団を目指すことになるのですが、極限の空腹が彼を襲います。彼のみならず、補給の断たれた日本軍は歩くミイラのような格好でみな海岸を目指してぞろぞろ歩いているわけです。

大東亜共栄圏の理想、米英撃滅、七生報国。高潔な理想も戦争の大義も、兵隊のお腹は満たしてくれません。
やがて食べるものを失った日本兵の間では人肉食(カニバリズム)が横行するようになりますが、田村は人間らしくありたいためか、これを拒否し続けます。

日本軍の人肉食については、1987年の映画「ゆきゆきて神軍」なんかが面白いです。これは奥崎謙三という元日本兵のキ○ガイみたいなおっさんを追いかけたドキュメンタリーで、この奥崎さんも見どころ多いのですが(笑)、日本軍が極限状況下で何をしていたか追及していく場面は非常に興味深いです。ネットのスレだと日本軍の美談ばっかりが持ちあげられがちですが、この映画は日本軍の汚いところをうまいこと掘り返していてなかなかに面白いです。

野火は国語の教科書なんかでも見かけます。白黒のどんよりした暗い雰囲気でいかにも陰鬱そうに見えますが、意外にも全体的なムードには軽妙さを感じました。
会話のテンポがいいんです。
もちろんイカれてしまった日本軍の描写は非常に狂気的でこれも鬼気迫るものがあります。



それにしてもこの映画で描かれている日本軍は「悲惨」の一言に尽きます。
日本の将軍や指揮官を英雄扱いして映画にすることも多いですが、現実問題として末端の兵士がどんな目に遭わされたか、もっと掘り下げてもいい気がします。
日本軍の苦労話は最近の映画だと玉砕ばっかりですが、正直玉砕の方が楽に見えるくらいこの飢餓地獄はすさまじいです。

この点、1989年の「226」なんかはあまり良い印象がありません。
最後の最後になって叛乱軍の青年将校たちにも家族があったんだよ的な回想が流れますが、彼らの掲げた昭和維新に付き合わされた末端の兵士たちは戦場に送られるや否や「死んで陛下にお詫びしろ」と言われたそうです。
叛乱軍の将兵たちは2月26日の反乱を通常の任務と思って出動していたため、この扱いには憤懣やるかたなかったことでしょう。
「226」には、彼らが昭和のご時世で天皇陛下に逆らった「賊軍」であったことと、末端で付き合わされた兵士がどんな目に遭わされたかの視点が抜け落ちていました。


日本戦争映画としての完成度は間違いなく一級品です。興味ある方はぜひ。  

2015年03月07日

「血と砂」(1965年・日本)

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1965年の東宝映画。往年の名優、三船敏郎が主役を務める「独立愚連隊」シリーズの最終作にあたる。

簡潔に言いたいが、素晴らしいよこりゃ。

監督の岡本喜八は日本戦争映画史に残る大作「日本の一番長い日」でメガホンを取った巨匠であるが、その2年前に本作を撮っている(このとき阿南陸軍大臣を演じた三船敏郎もまたすんばらしかった)。

独立愚連隊のようないわゆる娯楽戦争映画も撮った岡本監督であるが、「主張しない」ことの大切さがよく分かっておられる方である。

舞台は1945年8月の北支戦線。小杉曹長(三船敏郎)は銃殺刑になった下士官の扱いに対するいがみ合いから上官を殴り、その罪滅ぼしのために営倉入りと新兵を従えて八路軍の要衝であるヤキバ砦の攻略を命じられる。ただし新兵といっても彼らは軍楽隊で、鉄砲なんてまともに撃ったことがない。ついでに言えば筆下ろしもまだの小僧どもである。営倉入りメンツもけんかっ早い板前と、軍隊生活と言えば墓を作ったことだけという墓掘りのおっさんだけ。ついでに曹長を愛している慰安婦も連れて、決死のヤキバ攻略作戦は実行される…


いやあこの映画、なんてったってセリフ回しが最高だ。

「私の体は上品にできているからね…」
「大尉殿は、かわいそうであります」
「ほう、どうしてだ?」
「大尉殿の体が、上品だからであります!」バキィッ!!


「お春さんに抱いてもらう前に、全員最敬礼するように!」

「トランペット、おまえは○○だ。ホルン、チューバは○○…」

「海行かばでは淋しすぎます」

ユーモアたっぷりのセリフから、びりっとしびれる一言まで。
喋らせてスバラシイ。

そして八路軍(何百人いるんですか笑)との熾烈な戦闘。
たった十数名でヤキバを落とさなければならない必死の戦い。
戦わせてもスバラシイ。

とにかく見どころもりだくさんなのだ。


まずオープニングからぐっとひきこんでくる。
スタッフロールが流れ始めると、大写しになった軍楽隊の少年たちが、中国大陸の荒野でステップを踏みながら「聖者の行進」をこれでもかと吹き鳴らすのだ。
それもとびきりにジャジーで、「ヤーヤーヤー!」と掛け声も入る。
音楽を吹く嬉しさや楽しさが力いっぱい表れている。そこには黄土色やカーキ色に染め上げられた辛気臭さは無い。
この映画は「戦争つれえ…」「帰りてえ…」「やだあ…」みたいなのが無いのに、素晴らしい反戦映画として仕上がっている。
まあ当然のことだが、物事は隠さないと深みが出ないのである。最初からおっぴろげていたら薄っぺらいのである。
ここは巨匠岡本監督の真骨頂である。上のような女々しいことは一切言わないのに、戦争に対する虚しさや悲しさが強く伝わってくる。

最近の日本の戦争映画と言ったらみんなして本土の奥さんに「必ず帰ってきます」なんて手紙書いてもれなく死亡フラグを立てるのであるが、あれはそもそも死ぬと分かっているからこそ、心配を掛けないようにと書いてるんであって、マジで帰れると思ってるわけないと思うのは俺だけだろうか。
なんか本当は帰りたかったんだけど不幸にも死んじゃったみたいに描いてないか?
日本軍の戦死者は終戦までにおおよそ2百万人。4人に1人は生きては帰ってこられなかったんだぞ。
ただ各国の戦死者数はココを見てくれ。日本なんてまだ甘いくらいだろう・・・


作品の話に戻ろう。

主人公である小杉曹長は小憎い男で、何と言うんだろうか、石原裕次郎や若大将の兄貴みたいな感じと言うか、とにかく男らしい。
小杉曹長の不器用で下手くそな生き方が、昭和堅気な三船の演技とマッチして実に生き生きとしているのだ。
果敢な行動力、ふと見せる優しさ、勢い任せに喧嘩しちゃうところ、どこも不思議と愛らしいんだよなあ。

でもね、こんな調子で一人ひとり語ってたらキリが無いんですわ(笑)
軍楽隊も、板前も、墓掘りも、慰安婦もみんな素晴らしい。上官も他の兵隊も、八路軍ですら、この芝居の上手さには驚かされる。
この映画を観終わる頃には、どのキャラクターも一種かけがえのない存在くらいなっているのだ。もうこいつら一人ずつでも映画撮れちゃうって。
魅力を前部語るのは無理なので、かいつまんでいくけど。
軍楽隊の怖いけど必死で頑張る姿、
板前の気風の良い江戸っ子肌、
墓掘りの頼りないけど憎めないキャラ、
慰安婦の小杉を信じる続ける心。

みんな大好きい!!!(錯乱)


魅力的だからこそ、ラストに向かうにつれて涙腺が…


ごめん、以下ネタバレ入るけど許してください。

軍楽隊の少年たちも、ツイてないやつから戦死していく。
みんなそれを乗り越えてだんだん強くなっていき、ついにはヤキバも攻略。
あとは増援を待つだけなんだけど、その増援が来ることはない。佐久間隊は撤収を開始していた。小杉たちは置き去りにされたのだ。

やがて八路軍が大挙して反撃してくる(マジで何人いるんだよってくらい出てきます)。みんな果敢に応戦するんだけど、もう圧倒的な数の前にどうしようもない。みんなボロボロだ。それでもなんとか踏ん張って、見事夜明けまでヤキバを守り抜く。

だが一番頼り強く、また心の支えであった小杉が夜戦の傷がもとで戦死。みんな悲しみに暮れる中、八路軍は容赦なく反撃を開始する。
弾も無い。増援も無い。小杉もいない。

できることは音楽を奏でることだけになった。
そう、あの「聖者の行進」を。
砲弾降りしきり、銃弾の雨が打ちつける中、少年たちは最後の一人になるまで演奏を続ける。
何回も、何回も、
「ドミファソ ドミファソ ドミファソミドミレ ミミレド ドミソソファ ミファソミドレド」

家族の前でなかったら思い切り泣いてしまうところだった。

みんな音楽を奏でるのが大好きだった。生きている喜びを音楽で100%表現できていたのだ。
彼らが死ななければいけなかった理由なんてあるのだろうか。
そしてヤキバの襲撃、下士官の処刑が、思わぬ形で一本の糸でつながるとき、この戦いの虚しさは頂点に達する。

「その日、八月十五日」


いやあ、これは泣けますよ。
今からちょうど50年前の映画だけど、いまこんな映画、撮ることなんてできないんだろうな。
やっぱ忘れるってのは怖いことだね。忘れちゃったらさ、もう誰も再現なんてできないんだよ。
原爆や東京大空襲をまるで天災みたいに教科書に書いてるようじゃどうしようもない。
戦争がまだ生々しかった時代だったからこそ描けた作品なんだろう。
必見です。