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2020年02月12日

ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~

ドイツ国鉄と鉄道警察の制服を着ようという酔狂とキの字の間くらいの人を増やしていきたいと日夜布教に励んでいる私ですが、
正直やろうぜといったところで何から手を付けたらいいのかなど分かりようもありません。

実際私もいろいろな方に助けて頂いたからいまこうしてやっておれるわけで、独力でやり抜くのはまず無理でした。

今回はドイツ鉄道警察の着装を、可能な限り2020年現在における入手ルートも含めた形で、
ご紹介できたらと思います。



増えろ!!!BSP!!


ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~


↑こんなんできるよ
鉄道警察(Bahnschutzpolizei)

まず鉄道警察とは何か?という説明は前回のブログ「ドイツ警察」で解説しているのでここではざっくりと解説します。

鉄道警察はドイツ国有鉄道(Reichsbahn、以下「国鉄」)の沿線警備、ならびにサボタージュ防止のために設置された警察組織で、
警察学校を出た国鉄職員がパート制で勤務していました。
警察と名前はついていますが、秩序警察ではなく国鉄の指揮下にある組織です。

警備する地域は大ドイツ(ライヒ)領内、並びにドイツ軍の占領地域で、ドイツ国鉄はそれぞれ国鉄管理局(ReichsbahnDirektion=RBD)と呼ばれるセクションに分けられていました。


1. RBD Hamburg
2. RBD Augsburg
3. RBD Berlin
4. RBD Breslau
5. RBD Kassel
6. RBD Dresden Vollspur / RBD Dresden Schmalspur (wide and narrow tracks railways)
7. RBD Danzig
8. RBD Wuppertal
9. RBD Erfurt
10. RBD Essen
11. RBD Frankfurt/Main
12. RBD Halle (Saale)
13. RBD Hannover
14. RBD Karlsruhe
15. RBD Köln
16. RBD Königsberg (Pr.)
17. RBD Linz
18. RBD Posen
19. RBD Mainz
20. RBD München
21. RBD Münster (Westf.)
22. RBD Nürnberg
23. RBD Oppeln
24. RBD Osten (with headquarters located in Frankfurt/Oder)
25. RBD Saarbrücken
26. RBD Regensburg
27. RBD Schwerin
28. RBD Stettin
29. RBD Stuttgart
30. RBD Villach
31. RBD Wien

(1941年時点)

RBDは国鉄の管理下にある管理局の略称であり、この通りに鉄道警察管区が振り分けられていたかはさらなる研究が必要です。
RBD以外にもRVD(帝国交通管理局)、WVD(国防軍交通管理局)、HVD(中央交通管理局)など、管理する組織によって名称が違ったり、番号が振られていない地域がある可能性も否めません。

というわけで鉄道警察管区は国内(大ドイツ領内)に絞った方が妥当というか穏当でしょう。
長々と書きましたが、この鉄道警察管区が関係するパーツは肩章のモノグラムだけなので鉄道警察に関してはそこまで気にすることはないです。


ひとまずは頭の先からつま先までの状況をもう少し細かく見ていきましょう。
WW2時期の鉄道警察は、主に1941年以前と以降に分かれるため、便宜上前期型と後期型として説明します。
ただ後期型は現在確認できるレプリカが買わずともわかるようなヤベえやつなのでやるなら前期型と思ってください(憤怒)


☆制帽
ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~


鉄道警察官の制帽は前期型はドイツ国鉄と同じ、濃紺のトップに、黒のハチマキ、赤のパイピングを施したものでした。
制帽に使用する徽章については、鉄道警察鷲章と鉄道警察用リースが使われます。

ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~


鉄道警察鷲章は国防軍のものと似ていますが、両翼の上が若干はねているのが特徴です
また鉄道警察用リースは柏葉にフライングホイール(羽根のついた車輪)を組み合わせた独自のデザインです。
コカルデ(国章)は軍と同じものを使うので、これは好きなの買ってください。

両方とも鉄道警察にしか使用しない徽章ですので注意しましょう。またフライングホイールは今後も頻出なので覚えておいてください。

顎ひもに関しては下士官は黒の革、士官は銀、将官は金という軍とよく似た形式をとりますが、上級小隊指揮官のみ銀色の顎ひもに小さな黒点が入るのが特徴です。

あと上記の写真のような下品な形の顎ひもは極力避けましょう。丸みのある金具がおススメです。

・鉄道警察鷲章は国内で買うことができます。シュミットアンドゾーンで取り扱いがあります。
・鉄道警察用リースはebayで「Bahnschutzpolizei」と入れたら出てきます。安いやつは3000円くらいでした。
・制帽は「Reichsbahn visor hut」とか適当に入れると出てきます。だいたい1万円くらい。
・顎ひもは現状は陸軍用のものを使ってもよいと思います。


後期型の制帽は徽章は共通で、スカイブルーのデザインですが、現状出ているレプリカがゴミなので全くお勧めしません。
やらないでください(半ギレ)

ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~

↑ちなみに後期型制帽。かっこいいね



これは以降も共通の注意点なので書いておきますが、
ebayで探すときはアプリ版の「ebay」と、ドイツ語版の「ebay deu」のリンクをスマホのトップに張り付けておくと検索が便利です。

ドイツ語圏で出品された商品はebayのアプリで表示する際勝手に英語に変換されているらしく、めちゃくちゃな訳をされていることもしばしばで、
同じ意味の英語とドイツ語をそれぞれ入力しているのに検索にヒットしないことがよくあります。
またドイツ語版で検索して発見したはいいものの、購入や住所の入力もドイツ語なので手間取ることもあります。

両方の検索ページを同じgoogleアカウントでログインしておけば、「ebay deu」でウォッチリストに入れた商品をアプリの「ebay」で確認することができますし、確認した後は英語で購入できるのでいちいち翻訳する必要が無く便利です。


☆略帽

前期型は不明点が多すぎるので割愛
後期型はブルーグレーの略帽になります。



☆上着


ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~

鉄道警察の軍装で最大の難所ともいえるのがこの上衣です。むしろこれをクリアしたらあとは何とかなるような気がします。
鉄道警察の被服は戦後もしばらく使用されていたほか、同じライヒスバーンの名称を引き継いだ東ドイツでは国鉄の制服が大きくデザインを変えないまま使用されました。
ebayを覗くと東ドイツの鉄道員用制服はそれなりに転がっているので、近いタイプのものを探すのも手かもしれません。
(東方所有のレプリカは怒面公司様謹製)

上衣は濃紺の生地に8個ボタンで詰襟なのが特徴です。これは6個ボタンのものもあるようです。

あまりにも資料になる写真が少ないのですが、前期型・後期型ともにこちらのサイトで写真を確認できます。

https://bahnschutz-uniformen.jimdofree.com/bahnschutzpolizei-1939/

後期型は見るもおぞましいレプリカなら中国のミリタリーハーバーから出ていますが、外れると分かっているガチャを引く勇気は自分にはありません。

☆徽章類



ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~

襟章は黒の台布にドッペルリッツェンのものを用いました。1941年以降は襟章は全面改正されます。

ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~


肩章は他の警察組織と同じ、凝ったデザインが使われました。この点、軍と違って警察はゴージャスな肩章が多いです。
(写真はグルッペンフューラー、第19マインツ鉄道警察管区)

階級の順序も秩序警察のものと同じような感じですが、要注意なのが階級差を表すピフで、これは軍や警察などの星型ではなく
フライングホイールとなっていました。

またフライングホイールの間に数字のモノグラムを差しますが、これが最初に説明した鉄道警察管区の番号になります。

襟章は警察や戦後の東独品などを利用できると思います。肩章はシュミットさんで作っていますので、入手はかなり簡単です。
まあ本物の肩章もそんな高いわけではないんですが()
ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~

袖の国家鷲章は、SSや警察と同じ左袖に着用します。
この鉄道警察アドラーは、なぜか極初期のSS用アドラーと同じもので、しかも終戦まで同じデザインのまま変わりませんでした。
ほかの警察組織が柏葉に囲まれた警察袖章(とその色違い)だったのに、鉄道警察はこのアドラーなのです。
これもリプロがあるはずなので根気よく探してみましょう。


☆ズボン

アルゲマイネSS用乗馬ズボン

解決


☆ベルト

ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~


ベルトは兵・下士官階級は銀色の四角いバックルを使います。このバックルは例のフライングホイールのデザインに、
「DEUTSCHE REICHSBAHN」と刻印されています。梨地のシボ入りバックルです。
これを国鉄職員の低ランク(兵・下士官相当)用バックルとして紹介しているサイトもありますが、使用している写真が私の知る限りでは無く、
また紙資料を漁ってもやはりこのバックルの紹介は無かったので、鉄道警察専用と考える方が無難でしょう。

レプリカはEpic MiritaliaとJoteefが出していますが、前者はなんか迫力のない刻印と申し訳程度のシボ、若干小さいのが難点。
後者は刻印は綺麗で作りもがっしりしていますが、なぜか梨地ではありません。
中央部分を何かでぶちぬいて梨地でできのいいレプリカと合体させれば完璧なものができるかもしれませんがそんな勇気は僕にはありません。

ベルトは50mmの基本的なベルトで大丈夫です。
斜革の金具はSSで使用されているものと同じものが使われていたようです。あるとかっこいいのでぜひ買いましょう。
ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~

ちなみに将校用は↑こんな感じです


☆軍装品

鉄道警察も他の秩序警察同様、完全武装した状態が存在するそうです。
軍と同様のものを支給されていたそうですが、小銃やヘルメットなどは旧式のものがあてがわれたと見てよいでしょう。

水筒は戦後のベルリン警察水筒のカップを黒く塗れば代用できます。
雑嚢は濃紺生地、かつ一次戦スタイルのデザインらしいので、これも素材があればなんとかなりそうです。
その他の部分は不明な点もありますが、おおむねほかの警察準拠と考えればよいでしょう。

ヘルメットはM16/18あたりを使用するとよいです。
自分は濃紺に塗って使っています。後期型になると制服や制帽と同じブルーグレーになるそうですが、
あまりに残存数が少なく、ある実物を売るフォーラムでは後期型鉄帽は450ドルもの値段で取引されていました。


ドイツ国鉄と鉄道警察~着装編~

鉄道警察用ヘルメットデカールもあります。
ブルーグレーのヘルメットにデカールが貼られているものが、海外フォーラムで取引されています。


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現状上記のものがそろえば、41年の鉄道警察で遊ぶことができます。
もちろん未確定な部分も多いですが、その辺は私も随時研究していきます


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