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2018年10月30日

ドイツ軍リプロダクトのススメ~ヘッドギア編~

ドイツ軍リプロダクトのススメ~ヘッドギア編~

いまさら言うまでもないことなんですが、第二次世界大戦後、ドイツ軍という存在は常に「シュタールヘルム」と呼ばれる独特な形状の鉄兜とセットでイメージ付けがなされてきました。

まあ実際当時としてはインパクトのあるヘルメットだったことは間違いありません。日本でも軍隊のヘルメットと聞いたら大体の人は皿型かこのシュタールヘルムを書くと思います。


さて、本日はこのシュタールヘルムのお話...ではなく、シュタールヘルムを被らない時のヘッドギアについてのお話です。

当然ですがシュタールヘルムは戦闘時に被るもので、普段からあんな重いものを被りっぱなしということはありません。
日本に戦闘帽、アメリカにギャリソンキャップやニットキャップがあったように、ドイツ軍にも多くの略帽が存在しました。

ただそこはドイツ、「こだわり」の深い略帽が多いことで知られており、ヘッドギアだけで専門書が出る始末です(笑)
喜ばしいことにこれらの略帽の複製品は、ちょっと諭吉を積めば国内でほとんどが入手できます。
帽子や被服にオシャレを見出すことに関しては世界一と言っていいほど寛容だったドイツ軍の気分を味わうためにも、これらのヘッドギアに少し興味を持っていただけたらと思います。
☆34年型略帽(フェルトミュッツェ)


ドイツ軍リプロダクトのススメ~ヘッドギア編~


私の大好きな略帽(笑)
1934年に導入された船のような形をした帽子で、そのものスバリ「シヒフェン(小舟)」という渾名がありました。
同じようなものはライヒスヴェーア時代から存在しましたが、1934年に制式になったものは35年の国防軍発足以降、頂上に国家鷲章、その下に国章を着けました。
初期のものは頭の天面が広く、この写真のようにまっすぐに深く被ることができましたが、軍としての正規の被りかたは斜めに被るようにと決められていました。
この際に天面が開いてダボっとならないようにするためか、天面を糸で縫って狭くしている写真もよく見受けられます。
被り方にも個性が反映され、浅く被るのがオシャレの一つとされていました。

この34年型略帽は38年に将校向けのもの(フチに銀色のコードがあしらわれたもの)が採用されますが、同年ごろに初めから天面が狭く、トップが前にせり出すような裁断のものも現れました。
なにぶん大量に生産されたものなので、戦争で接収した布地を使ったものや、工場によって細かい差異もあるようです。

国章の上にはゾータッシェと呼ばれる太い人絹のコードが付けられており、これは色によって兵科を表していました(白色なら歩兵科、ピンク色なら機甲科といった具合)。
この表示は1942年頃に機密保持の観点から外すように指示が出され、以降終戦まではこのゾータッシェの無いものが生産されます。

シュタールヘルムを被らない時はこの略帽を被ります。戦地などでは暑いせいか何も被っていない写真も多いですが、リラックスしているときや後方に居る時は必ずと言っていいほど被っています。
気になるお値段は安ければ3~4000円ほどで手に入りますが、ロクでもないものの場合もあるので、おなじみ京都のお店にオーダーしてみるのも良いでしょう。



☆42年型略帽(フェルトミュッツェ)
ドイツ軍リプロダクトのススメ~ヘッドギア編~


この略帽はそれまでの34年型略帽の両サイドの折り返しを、前面でカットしてボタン止めにすることで、折り返して被れるようにしたものです。
折り返すことで耳をすっぽりと覆うことができるのですが、これは独ソ戦における凍傷の戦訓が理由と推測されています。
実際に支給された期間が短く、後述する規格帽よりもはるかにマイナーなヘッドギアだったことから知名度もそこまで高くはありませんが、すこし「かぶいた」アイテムとして入手されても面白いかと思います。
ちなみにボタン留めの部分には、原型となったM34略帽では国章が付いていましたが、ボタンが邪魔で着けられないためトップ部分に移動しています。

国内では京都のお店くらいしか入手ルートが無いです。
海外から個人輸入ができるようであれば、いろいろ試してみるのも手かもしれません。

☆43年型規格帽(アインハイツフェルトミュッツェ)

ドイツ軍リプロダクトのススメ~ヘッドギア編~


1943年からそれまでの略帽に代わり、バイザーが付いた43年型規格帽の支給が始まりました。
もともとバイザー付きの野戦帽は、後述する防暑帽や山岳帽で取り入れられていたデザインでしたが、これが好評だったため全兵科に導入することになりました。
ドイツ語での「アイン ハイツ フェルトミュッツェ」は統一規格野戦帽という意味で、規格帽と略して呼ばれることが多いです。
支給が始まると終戦までの間に爆発的に数を増やし、写真への露出もぐっと増えてきます。
帽章は旧来のものに代わって鷲章と国章の一体型になります。
山岳帽よりもつばは広めで、通気孔はありませんでした。
また迷彩衣料に使われる生地で作られた規格帽もありますが、大半は官給ではなく、現地でのハンドメイドと思われます。

国内では前述の略帽よりはるかに多いと言いますか、レプリカも比較的多くのメーカーから入手できます。
ただし値段にかかわらずろくでもないものはろくでもないので注意が必要ですが。

どうにも日本人は略帽よりもこの規格帽を好んで使っている方が多いように思いますが、欧米人と頭の形状が違うため、略帽がうまく被れないという方も多いようです。
日本の四五式軍帽も内側はまん丸ですしね。



兵用の帽子はこんなところでしょうか
それでは素敵なドイツ軍ライフを


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