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2018年04月10日

ドイツ軍リプロダクトのススメ~HBT野戦服編~

※当記事は随時情報を更新する可能性があります。

久々の記事です。
本項では現状ドイツ軍にまつわるアイテムのリプロダクト(レプリカ、複製)についてお話ししたいと思います。
これからドイツ軍装を始める方、始めたはいいけれど何をどこで買えばいいのか分からない方へ、身内にドイツ軍装マニアが全くいないところから始まった自分の経験をもとに、ひっかかりがちな問題について取り上げたいと思います。

①HBT被服とは何か?


まず多くの方が手に取るのが「HBT被服」と呼ばれる戦闘服です。
「HBT」とは杉綾織のことで、ウール製の戦闘服が中心のドイツ軍において、気温の高い地域での戦闘用に生産された特殊被服の一つです。

HBT被服の特徴としましては、
・ウールの野戦服が着られる季節が短く、春先から夏にかけて猛暑に見舞われる日本のサバゲーマーにとって涼しい恰好であること
・内装などが元々省略されているためウールの野戦服より安いこと
・水洗いの洗濯ができるため清潔

などがあります。なんと、これから始めようという人には良いことづくめですね。
しかしHBTの野戦服には他の野戦服とは違う「落とし穴」があります。

それは「ドイツ軍では1942年から導入された」という点です。
多くのショップが「36年型HBT野戦服」「40年型HBT野戦服」「43年型HBT野戦服」の名前で基本的にこの3種類を用意していますが、それらの名称は間違いです。

HBTの戦闘服の形状は、ウールの野戦服の外観(内装は異なるため)を基準に
「41年型スタイル」
「42年型スタイル」
「43年型スタイル」
の3種類で、

なおかつ「〇〇年型」とは言わず
「1型」
「2型」
「3型」
と呼ぶ向きもあります。

なぜ間違いなのかは前合わせのボタンを見ればわかります。
「40年型」とされている商品をよく見てみましょう。前合わせのボタンは6個です。
主力であるウールの野戦服のボタンが6個になるのは1941年からで、この時点で名称と形状が矛盾しているのです。

長ったらしい文章だけではつまんないのでここで画像で見てみましょう。

ドイツ軍リプロダクトのススメ~HBT野戦服編~

これは3型のHBT野戦服です。戦中は42年型野戦服と43年型野戦服の形状をしたHBT野戦服が主流となり、前述した41年型野戦服の形状をしたHBT野戦服はごくわずかな間しか生産されていません。実際に写真や実物での発見例も少ないと言われています。

また「36年型」とされているのは濃緑襟改造の野戦服でしょうが、濃緑襟改造をするのはほとんど士官や下士官で、下士官以下で行っているのは下士官候補生や勤続年数の長い兵卒などです。はじめから濃緑襟のHBT野戦服が量産されたという話も聞きません。

つまり、「1型を着ている兵士はごくわずか、2型はリプロが乏しい、残るは3型」という現実に直面してしまうのです。

こうなるともっともらしいHBT野戦服は3型ということになりますが、当然ながらこのタイプが出回る頃には装備品も多くがマイナーチェンジされており、それに合わせた軍装にせざるを得ないでしょう。


一部ではおなじHBTで織られた「作業着」を野戦服のように改造した例が紹介されています。実在した可能性はありますが、考証をしっかりと押さえ、それらしい見た目にしなければリスキーな選択と言えるでしょう。

ではおさらいでHBT野戦服のポイントを押さえておきましょう。

・HBT野戦服に「36年型」「40年型」は存在しない。→20/8/29修正 40年型はごく少数ですが存在するようです
・導入されたのは1942年である。
・主流となったのは2型と3型である。


そもそもなぜ1942年になるまで導入がされなかったのでしょう?という疑問もありますが、これはバルカン半島などドイツから見て極端に南側まで戦域が拡大したことによるものだと考えられます。
またアフリカに関してはコットン製の熱帯服が供給されております。




また意外と知られていないのですが、
武装SSにはHBT野戦服は存在しなかった、というのが通説です。
その代わりにHBTの作業着を野戦服に転用した例はあったようです。


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