2018年04月10日
ドイツ軍リプロダクトのススメ~飯盒編~
筆がノッているので2本目の記事もバーッと書いちゃおうと思います。
第2項はドイツ軍必須アイテム、飯盒についてです。
第2項はドイツ軍必須アイテム、飯盒についてです。

飯盒(コッホゲッシャー)は1931年に新型が導入され、以降終戦までさまざまなバリエーションが生まれました。
オリジナルの飯盒の特徴は、「耳かけの溶接部が縦に2本のリベットで留められている」点にあります。
(※末期型などの一部の例は除きます)
比較のため、よく似ている同型の飯盒を挙げてみましょう
☆西ドイツ軍飯盒

こちらは西ドイツの飯盒です。中蓋が入っていますね。これは「掛子」と呼ばれているものですが、戦中型には掛子がありません。
またハンドルの爪を収納するため、本体の底にくぼみが作ってありますが、これも戦中は存在しません。
西ドイツの飯盒は全高がM31飯盒よりもやや長く、飯盒用のストラップが中途半端に巻き付いてしまう事があるため、代用にはあまり向いていないでしょう。
☆東ドイツ軍飯盒

これは一見するとよく似ていますね。耳かけの溶接部分は上から大きくコーティングされているためリベットが見えませんが、縦2本の戦中と同じスタイルです。
ただしこの東ドイツ軍の飯盒には欠点があります。ハンドル付け根のベルト通しが無いのです。
きつく縛着すれば装備できないことはありませんが、安定性に欠けてしまいます。
また東ドイツの飯盒は材質が悪く、すぐにへこんだりしてしまう個体もあるようです。
(※極初期の東ドイツの飯盒にはベルト通しがありました)
☆ベルリン警察飯盒

これは終戦直後、西ベルリンに駐在していたベルリン警察が装備していた飯盒です。
このベルリン警察に関しては「たにし大記録」さんがとてもお詳しいのですが、かいつまんで言いますと、軍が解体されたあと警察だけが防衛力として存在していた当時の西ドイツでは、警察官も半ば軍隊のような装備品を用意せねばならず、軍用のような飯盒を使っていたのではないか…とのことでした。
最近の日本ではあまり手に入らないアイテムですが、基本的な形状は耳かけの溶接以外は戦中型と瓜二つであり、特に20年ほど前にまだ大量の在庫があった頃は再塗装して利用するマニアも多かったようです。
国内では5~6000円ほどと意外と高価です。
☆ロシア軍飯盒

こちらも全体のフォルムがM31飯盒とよく似ています。また在庫が大量にあるせいか今のところは値段もお手頃です。
私も再塗装して利用していますが、煮沸消毒と洗剤での丸洗いは欠かさずにやりましょう(笑)
というわけでドイツ軍にまつわる飯盒を列挙してみました。
それぞれに個性や違いはありますが、実物の飯盒はアルミニウムのため傷や凹みが付きやすいため、飾りと言えど滅多に多用しない方が良いと思う人が大半でしょう。
このあたりは代用が利くものですので、持っておいて損はないと思います。
余談ですが日本の飯盒とドイツの飯盒が似ているのは、日本軍が携帯できる炊事道具を導入するにあたって、ドイツの飯盒を範に取ったためと言われています。
しかし日本の飯盒が炊爨をはじめとする本格的な調理器具として現在まで用いられているのに対し、
本家本元のドイツは第二次世界大戦時にはただの「食器」としての位置づけになり、先述したいわゆる「飯盒」も後に縦長のメスキットに変更されてしまいました。